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2021年03月11日

学習障害と栄養の関係

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私は18年近く知的障害者支援施設に勤務していました。自閉症、ダウン症、知的障害をもつ方々と寝食を共にした経験があります。日々一緒に作業をしたり食事をしたり、いろいろな行事を企画したり楽しく過ごさせてもらいました。所属していた部署は医務室でしたので、関係医療機関と連携して健康管理や定期通院のお手伝いをしていました。特に怪我(骨折やナートが必要な切傷が多かった)や病気(難病など)になる方が多くその時は本当に大変でしたが、今になってみると多くの症例をみせてもらい貴重な勉強になりました。施設の嘱託医は神経内科の医師でした。その先生からこの子たちは代謝異常が原因のため、細かな問診を親御さんからとれば治療に結び付くかもしれないとの指摘があり100名の利用者の出生からのことを細かく聞く機会がありました。その時からどういうことが障害につながるのか、身体の代謝の秘密が大変知りたくなりました。その先生は原因がわかれば改善できるかもしれないとも言われていました。残念ながらその当時は生理学、生化学を専門に勉強しておらず本当の理解には至りませんでした。その後柔道整復師になり、分子栄養学の大家である溝口徹先生より学びました。はじめの頃は柔道整復師として痛みや運動機能について関係のある栄養素などを勉強しているうちにうつ、学習障害、自閉症の改善症例を聞く機会があり、一気に20年前の施設現場での思いをよみがえらせる機会に巡り合いました。それからも自分で症例を探し文献をあたり調べていくうちに、栄養が非常大きな影響を与えていることに驚きました。今回は私の体験から得た話を少しご紹介ます。

目次

ビタミンBは頭の栄養

溝口先生からお聞きした話です。ある大学の芸術学部に退学者が多く困っているという相談があったそうです。うつになる方が多くキャンパス内に心療内科をつくり薬を処方されても結局退学者は減らなかったそうです。そこで栄養指導が始まり学生に「芸術を創造する脳は一般的な人とビタミンB群の代謝量は全然違うこと、何時間も制作に没頭し続ける集中力は爆発的にエネルギーを使うこと」を説明され糖質との付き合い方を説明し肉を積極的に食べることを勧めることで退学者が減ったということでした。ビタミンBの代謝は人により大変さがあるようです。物理学者の三石巌氏も「俗に頭の良い人というのがいますが、これは、たまたまビタミンB群が少量で足りるように生まれついた人のことだと私は考えます」と書かれています。自閉症、学習障害の子どもたちは天才肌の人が多いことはご存じでしょうか。何人かと付き合ってきましたが多分私の脳とはまるで違う燃費だと思います。大量に消費されるエネルギーをたくさんの燃料(ビタミン)で満たしてあげなければ何らかの障害も起こると思いませんか。
アメリカのルース・フリン・ハレル博士が1946年「栄養ジャーナル」の記事の中で「チアミン(B1)を豊富に摂ることで、孤児院の子供たちの精神的・身体的技能が改善した」と述べています。また1956年母親の食事が子供の知性にどう影響するのか研究し「妊婦や授乳中の母親の食事をサプリメントで補うことでその子の三歳時、四歳時の知能指数が向上したことを発表しています。ハレル博士は60年前にチアミンのサプリが学習能力を向上させることを実証しています。栄養医学のホッファー先生はビタミンB群は神経機能に必須である。神経の栄養状態が不良なのに学校の成績がいい子供というのは想像がつかない。ビタミンB群の欠乏により、神経機能の消失、記憶力低下、集中力低下、癇癪、混乱、うつが生じるということは事実として確立していると記されました。

糖質の代謝で使われるビタミンB群

糖質をたくさん摂ることで失われる栄養素です。三大栄養素をエネルギーに変換するときにビタミンB群は使われます。ですから糖質大好きな方は慢性的に不足している栄養素といえるでしょう。子供たちにも甘い清涼飲料を飲ませ、甘いお菓子を与えれば身体の中のビタミンB群は大切な脳で使われず、エネルギー代謝で大量に使われることになりますから、先ほど書いたビタミンB群の欠乏状態の症状が出てきてもおかしくありません。余談ですが接骨院時代に怪我が多い学生も糖質過多の子供たちが多かったこともお伝えしておきます。学習障害と診断される子供たちの将来は最新の薬で変わることではなく、ハレル博士が60年前に発表した事実を知ることが大きな分かれ道になると思います。まずは糖質の摂り方を考えて、肉などのビタミン豊富な食材を食べさせてあげてほしいと思います。鉄分も自閉症の方の運動機能障害(左右不協調性)にも影響しているそうです。人間にとってトラブルの種類は違えど根源にある問題は栄養です。今日は学習障害と栄養について書いてみました。

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